ハナノキ
提供:安岐郷誌
ハナノキ (花の木) は東濃地方に自生するカエデ科の落葉樹。世界的に見ても自生地が限られており珍しい植物である。
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ハナノキ自生地
ハナノキ自生地は岩村町の大円寺にあるハナノキの自生地。国指定の天然記念物に指定されている。
国天然記念物「ハナノキ自生地」
ハナノキ (カエデ科) はヒトツバタコ、シデコブシと共に東濃地方の珍しい樹木とされている。それは氷河期以前には世界に広く分布していたのに、現在は東濃地方と、ここに接する長野、愛知県の一部にだけ分布している遺存種だからである。また、北アメリカの東海岸に「アメリカハナノキ」と言う近縁種が隔離分布しているからでもある。
このように東濃地方に遺存種となった謎解きの鍵は、ここの山が低く湿地の多いこと、寒暑が厳しく乾燥していること、開花から熟すまでに一ヶ月余と短いことなどであろうといわれている。
ハナノキの特徴
- 雌雄異株の二〇メートル余の落葉高木
- 葉は対生、浅く三裂、裏面は粉白色
- 花は四月中旬に葉に先立って咲く。花は萼をはじめすべて濃い紅色で全木をおおい「花の木」の名にふさわしく美しい。
- 翅果、三〜四個が集まって垂れ、五月下旬には熟し、やがて風に吹かれて四方に散り湿地に落ち春を待って発芽する。
≪左の大木 (雄) 推定一〇〇年生以上。右は数十年生で昭和六〇年に初めて開花。南東へ役一〇〇メートル登ると雌木があり、その樹下には幼苗が自生している。
岩村町教育委員会
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