どんど焼き
どんど焼きは
毎年、冬休みの最終日かその前日になると小学生が家々を廻って門松や注連縄を集め所定の田んぼに運ぶ (門松集め)。小正月である1月15日 (旧成人の日) になると地域の大人が集まってそれらを積み上げて、中心に青竹を立て、縛り付けて火を付ける。門松の他に古くなった御札やお守り、おみくじ、熊手などの縁起物が焼かれることもある。集落によっては、小正月の前夜(14日夕方)に行うところもある。
門松は暮れに山から切り出した赤松の生木が多くを占めるため藁だけでは中々火が付かず、俵の足下に灯油を撒いて火を付けるのが一般的である。その他のやり方としては杉の葉を大量にかき集めて芯に仕込んでおくとよく燃える。焼いている途中に必ず青竹がはぜる。
書き初めをこの火で焼いて燃えかすが高く舞い上がると字が上手になるという。またこの火にあたって
午前中から焼き始めて夕方には全て燃え尽きる。この間、子供達は雪合戦やかまくら、雪だるまをつくり、親たちは火を囲んで酒を振る舞って談話を行う。暖房機器が発達していなかった頃は冬場の講のような役割もあったのだろう。
阿木のどんど焼きは平成の初頭まではどこの地区でも行われていたが、地域の少子化や積雪が無くなりソリで門松を運べなくなった事、ビニール製の正月飾りが増えてダイオキシンが懸念されるようになった事や、成人の日の移動など様々な消極的要因が重なり、いくつかの組では廃れてしまった。残っているところも門松を集めているのは大人である。