龍泉寺道

提供:安岐郷誌
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龍泉寺道(りゅうせんじどう)は山野田の浄光院[要調査]から龍泉寺へ向かう参道。また恵南地方から恵那山恵那神社へ参拝するための道でもあった。

浄光院は兵火を免れた龍泉寺の馬頭観音を預かっており、毎年初午(はつうま) (旧暦二月の最初の午日) になると馬頭観音を龍泉寺観音堂に運んで祭りを行っていた。古くは大根木から清水の山際を廻る道が使われていたが、1702年 (元禄15年/江戸初期) からは藤上から下広岡へ行く道 (現在の国道363号) が使われるようになった。

旧道の痕跡は下広岡の馬籠(ばろう)駕台(かごだ)といった小字にも見ることが出来る。


文献

阿木公民館冊子「あぎ」昭和57年度版に載せられている文書の現代語訳。小字名が多いので阿木の小字も参照。

龍泉寺という龍泉寺観音堂の観音は阿木村山野田の浄光院で預かり置き、毎年二月の初午に浄光院観音を御供にして龍泉寺観音堂にてお祭りを行う。この日は人馬の参拝が多く、同日中にお帰りとなる。この道を龍泉寺道と呼ぶ。この道の頭を記す。

阿木村のうち山野田浄光院より山野田富士間の森の前を通り、真原熊野神社の森の前を通り、根木屋坂を下り、根木屋橋を越し、大根木観音堂 (長楽寺) の前を通り、梅本坊の門前を越し、ワラビ野の山之神の森の北を上り、渡場へ出て、瀧ヶ沢を越し、室ヶ沢を越し、押ノ沢原を上へ登り、平四郎屋敷の東を通り、木戸ヶ入川を渡り、馬籠川を越し、清水平右衛門屋敷 (平屋敷) の前を登り、タタキ (?) を通り、伝太平の西之麓を通り、古屋敷にて越沢を越し、大柳平の横を通り、松沢川を越し、右衛門平の土岐明神の前を通り、安気野原の扇風石 (屏風石?) の前を通り、朴沢川を越し、与作新田 (グリーン牧場?) の中を通り、腰掛石の前を越し、血洗池の北の畔を登り、神明の森の中を登り、井嶋ヶ峰の息次清水を通り、龍泉寺馬場に出ると観音堂である。これが龍泉寺道で当村の古道である。

龍泉寺ト申事ハ、龍泉寺観音堂之観音。別当阿木村山野田之浄光院ニ預リ置、毎年二月初午ニハ別当浄光院観音ヲ御供ニテ、龍泉寺観音堂ニテ御祭リ有之候。此日人馬参詣多シ。其日之内ニ御帰リ相成候。此道ヲ龍泉寺道ト申候。此道之頭ヲ印候。阿木村之内、山野田浄光院ヨリ、山野田富士間之森之前ヲ通リ、真原熊野権現之森之前ヲ通リ、根木屋坂ヲ下リ、根木屋橋ヲ越シ、大根木観音堂之前ヲ通リ、梅本坊之門前ヲコシ、ワラビ野之山之神之森之北ヲノボリ、渡場江出テ、瀧ヶ沢ヲ越し、室ヶ沢ヲ越し、押ノ沢原ヲ上江登リ、平四郎屋敷之東ヲ通リ、木戸ヶ入川ヲ渡リ、馬籠川ヲコシ、清水平右エ門屋敷之前ヲノボリ、タ々キヲ通リ、伝太平西之麓ヲ通リ、古屋敷ニテ越沢コシ、大柳平ヲ横ニ通リ、松沢川越シ、右エ門平土岐明神之前ヲ通リ、安気野原扇風石之前ヲ通リ、朴沢川コシ、与作新田之中ヲ通リ、腰掛石之前ヲコシ、血洗之池之北之畔ヲノボリ、神明之森之中ヲノボリ、井嶋ヶ峰息次清水ヨ通リ、龍泉寺馬場ニ出テ観音堂也。是龍泉寺道ナリ。是ガ当村之古道也。

川狭 (加狭) 渡場から六地蔵へ出て狐ゴウロを登る道は新道である。元禄15年 (1702年/江戸中期) 7月16日より川上アセボ坂の道替えが行われた。阿木村分の人足90人、当村新田分10人、川上人足60人が出た。川上への人足へは一人につき米7合5勺づつ頂いた。御代官様、西山様、一右太夫様、山奉行の近藤宗左衛門様、道奉行足軽の佐太夫様らがこの時に川狭渡場から与佐田へ上がり、清水渡瀬を越し、狐ゴウロを上がり、大柳平にて龍泉寺道と出合ったところで右のお役人様らが御見分の上に定まったものである。同16年 (1703年/江戸中期) 6月までに完成した。

領主様 (松平乗紀) と御代官様のどなたかが12月に勘定の折にはこの道をご案内した。御代官様の 右衛門殿。 〓

川狭渡場~六地蔵江出テ、狐ゴウロヲノボルハ新道ナリ。元禄十五年七月十六日ヨリ川上アセボ坂道替リ候。阿木村分人足九拾人、当村新田分拾人出申候。川上人足六拾人出申候。川上人足江ハ、壱人ニ付米七合五勺ヅ々被下候。御代官様、西山様、一右太夫様、御山奉行近藤宗左エ門様、道奉行御足軽佐太夫様、此時川狭渡場~与佐田エ上リ、清水渡瀬ヲコシ、狐ゴウロ上リ、大柳平ニテ龍泉寺道ト出合候処ニ右之御役人様御見分之上相定リ候。処同十六年六月迠ニ出来上リ候。是御当代様十二月御代官様御中。勘定之節ハ此道ヲ御案内仕候。御代官様之駄荷壱駄ハ加ト分伝定、右エ門殿七里口之替リ二年々引却飯沼迠送リ候。事例各地御上様江御出役之時ハ、八月に検見又御山通リ節ハ、大根木渡場ヘ出向候。案内仕候。又外用之節ハ川狭渡場江御出向御案内、川上ヘ御越シ時ハ丼嶋ヶ峰御茶場迠御案内夫~川上之役人是各式也。何事ニテ茂出入村方ニ出来候節ニハ古帳面取調之上取斗候事。

今井久助扣

関連項目

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