水晶山
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− | + | 水精は水晶の事。[http://opac.lib.ryukoku.ac.jp/kicho/exhibi/cont_02/pages_02/v_menu/0208.html 美濃明細記]でも「水精山(岩村近)」と書かれている。 | |
六方石とはマグマが冷える時に形成される 6 角形の棒状の玄武岩 ([[w:柱状節理|柱状節理]]) だが、ここでは石英の水晶柱を指している。周囲には水晶山より高く名を持たない山も多いなかで、水晶が出るために特に水晶山という名前が付いたと書かれている。 | 六方石とはマグマが冷える時に形成される 6 角形の棒状の玄武岩 ([[w:柱状節理|柱状節理]]) だが、ここでは石英の水晶柱を指している。周囲には水晶山より高く名を持たない山も多いなかで、水晶が出るために特に水晶山という名前が付いたと書かれている。 | ||
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秋山、座光寺とはそれぞれ武田信玄 (落城当時は勝頼) の家臣である秋山伯耆守信友,座光寺左近の事。織田と武田による岩村城の戦いでは、織田軍に包囲され援軍も望めないと判断した秋山信友は城の裏山にあたる水晶山の突破を試みて失敗。2,000 の兵を失い、後に控えていた遠山方も出るに出られなかったという。この後、織田方との和議により開城するが秋山や座光寺らは長良川で処刑された。 | 秋山、座光寺とはそれぞれ武田信玄 (落城当時は勝頼) の家臣である秋山伯耆守信友,座光寺左近の事。織田と武田による岩村城の戦いでは、織田軍に包囲され援軍も望めないと判断した秋山信友は城の裏山にあたる水晶山の突破を試みて失敗。2,000 の兵を失い、後に控えていた遠山方も出るに出られなかったという。この後、織田方との和議により開城するが秋山や座光寺らは長良川で処刑された。 | ||
− | + | 日吉村、月吉村は不明だが、同書には日吉郷、月吉の項があり、その内容から現在の瑞浪市の北西部、日吉町<map lon="137.243271" lat="35.399685" title="日吉町"/>と明世町月吉<map lon="137.241211" lat="35.371485" title="明世町月吉"/>を指していると思われる。麓の村というには少々遠すぎることから、同じ水晶山でも瑞浪市釜戸町の[http://www.jatouto.or.jp/odekake/mizunami_ryuginkyo.html 竜吟峡]にある水晶山<map lon="137.2936" lat="35.415583" title="水晶山"/>か、その周辺の山と間違えているのだろう。 | |
− | + | <strong>月の糞</strong> (別名月のおさがり) とは[[瑞浪層群]]から出土するビカリア (巻き貝) の中がケイ化して渦巻き状のオパールとなったものである。他にも日の糞 (同じく巻き貝状のメノウ)、石蚕 (自然に磨かれた土岐石)、石蛤 (二枚貝の化石) などが出土し、日吉村・月吉村では日の糞と月の糞をご神体として祀り村名の由来にもなっている。 | |
− | + | さらに<strong>星糞</strong>については、長野県の和田峠に<strong>星糞峠</strong><map title="星糞峠" lon="138.209472" lat="36.152594"/>と呼ばれる縄文時代の黒曜石の産地があることから黒曜石の石器と思われる。薄いねずみ色で水晶に似ていて、火打ち石 (チャート) の欠けたような角立ちというのは黒曜石の表現である。 | |
− | + | 岩村から出土する黒曜石の石器が星糞峠のものかは分からないが、いつの時代かに星糞という名が東山道・中山道を通って来たのだろう。ちなみに糞には「屑」「ちりばめる」という意味もあり、星糞は則ち星屑の意味と言われている。 | |
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2010年8月12日 (木) 10:33時点における最新版
山稜 | |
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水晶山 | |
位置 | N35:21:31.35/E137:28:13.34 |
標高 | 958m |
[編集] 文献
[編集] 大日本地名辞書
大日本地名辞書には以下のように書かれている。
水晶 山岩村の東にして、其山脈は恵那岳より東北木曽に連なる、此山は六方石を産するが故に特名あり、又此辺に貝介の化石を産すと、第三紀層の構成なれば也。○天正三年十一月、岩村城内は粮米尽果てれば、秋山、座光寺初め城兵等は、水精山の柵を破り、切抜けんとしけれども成らず、二千余人討死して落城す。○俚人談伝、御岳の麓に月吉村、日吉村といふあり、此所秋に至れば夜毎に降るものあり、長四寸ばかり、螺貝のごとく、屈曲して色薄白き石なり、これを月の糞という、又岩村町の辺に、星糞という石あり、春田耕すころ、土中より掘出すなり、色うす鼠にして、性は水晶石に似たり、大きなるは稀なり、燧石の欠たる程の石の角だちたるなり。
水精は水晶の事。美濃明細記でも「水精山(岩村近)」と書かれている。
六方石とはマグマが冷える時に形成される 6 角形の棒状の玄武岩 (柱状節理) だが、ここでは石英の水晶柱を指している。周囲には水晶山より高く名を持たない山も多いなかで、水晶が出るために特に水晶山という名前が付いたと書かれている。
秋山、座光寺とはそれぞれ武田信玄 (落城当時は勝頼) の家臣である秋山伯耆守信友,座光寺左近の事。織田と武田による岩村城の戦いでは、織田軍に包囲され援軍も望めないと判断した秋山信友は城の裏山にあたる水晶山の突破を試みて失敗。2,000 の兵を失い、後に控えていた遠山方も出るに出られなかったという。この後、織田方との和議により開城するが秋山や座光寺らは長良川で処刑された。
日吉村、月吉村は不明だが、同書には日吉郷、月吉の項があり、その内容から現在の瑞浪市の北西部、日吉町と明世町月吉を指していると思われる。麓の村というには少々遠すぎることから、同じ水晶山でも瑞浪市釜戸町の竜吟峡にある水晶山か、その周辺の山と間違えているのだろう。
月の糞 (別名月のおさがり) とは瑞浪層群から出土するビカリア (巻き貝) の中がケイ化して渦巻き状のオパールとなったものである。他にも日の糞 (同じく巻き貝状のメノウ)、石蚕 (自然に磨かれた土岐石)、石蛤 (二枚貝の化石) などが出土し、日吉村・月吉村では日の糞と月の糞をご神体として祀り村名の由来にもなっている。
さらに星糞については、長野県の和田峠に星糞峠と呼ばれる縄文時代の黒曜石の産地があることから黒曜石の石器と思われる。薄いねずみ色で水晶に似ていて、火打ち石 (チャート) の欠けたような角立ちというのは黒曜石の表現である。
岩村から出土する黒曜石の石器が星糞峠のものかは分からないが、いつの時代かに星糞という名が東山道・中山道を通って来たのだろう。ちなみに糞には「屑」「ちりばめる」という意味もあり、星糞は則ち星屑の意味と言われている。