遠山荘

美濃国遠山荘(とおやましょう)は中世の荘園制における摂関家領の一つ。現在の中津川市・恵那市の全域と瑞浪、土岐、木曽の一部が該当する。平安時代の安岐郷も遠山荘に属している。

近衛家文書によれば遠山荘は 1155年 (久寿2年/平安) 12月16日藤原泰子の死去によって高陽院領(かやいんりょう)から近衛家に移っている。

1180年 (治承4年/平安) 8月、源頼朝は伊豆国討伐の功として加藤景廉(かとうかげかど)に遠山荘の地頭役を与えた。しかし景廉自身は鎌倉におり遠山荘の地を踏むことはなかったと言われている。景廉の死後、遠山荘を継いだ景朝(かげとも)は恵奈の地に入り、姓も遠山と替えて岩村城を築城した。

1246年 (寛元4年/鎌倉) 8月25日、遠山荘は近衛基通(このえもとみち)から子道径(みちつね)の妻 (妾?) である 武蔵局(むさしのつぼね)に与えられている。また同年10月8日には基通の娘の竜前のものとしている。ただしこの頃は既に実質的な支配権を地頭である遠山氏が握っており、遠山荘は地頭請(じとううけ)となっていたようである。

四方山話

• 武蔵局や竜前に与えた荘園という話は飯妻の名の発祥と似ている。遠山氏ではなく近衛氏ではないだろうか。

参照

• 遠山氏