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== 歴史 == 養蚕の歴史をさかのぼると弥生時代には既に中国から伝来していた。しかし産業として本格的に行われるようになったのは幕末近くからである。日本の生糸は海外で評判が高く、島崎藤村の「夜明け前」でも外国の商船に高値で売れている様子が描かれている。 阿木で養蚕が広まったのはまさにその江戸時代後期である。岩村藩が財政難を打開するため地場産業の育成として推し進めた事から始まる ([[文政の改革]]参照)。岩村の何ヶ所かに製糸場を設立し、そこへ売るための生糸生産を推奨した。 {{年号|1898}} に中津川町で<strong>勝野製糸</strong>が開業。生糸は庄屋や買い取り業者と現金で取引できたため、農家の現金収入源として阿木や飯沼で一気に広まった。明治後期の {{年号|1905}} には阿木村 {{note|(飯沼村と合併済み)}} の戸数 550 戸に対して養蚕農家は実に 450 戸にもなった<ref><strong>角川日本地名大辞典 21 岐阜県</strong>, <i>「角川日本地名大辞典」編纂委員会 竹内理三</i>, 1980年(昭和55年), 株式会社角川書店, ISBN 978-4040012100</ref>。 しかし輸出の花形であった生糸も第一次大戦後の大正初期の不況を機に暴落 {{note|(山岡ではこれを機に寒天産業へ転換した)}}。景気の回復によって復興したが、病気の克服によって欧州での生産量が増え再び暴落。さらに満州事変頃にも暴落 {{note|(この1931年/昭和6年に勝野製糸閉鎖)}} と何度も浮き沈みを繰り返した。現在では安くて良質なナイロン製品や中国韓国の安い絹の流通によって日本の養蚕産業は完全に衰退した。 産業以外では、日本で長年に渡って培われた蚕に対する知見を生かして昆虫免疫学や医薬品研究などの分野で利用されている程度である。 <references/>
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