遠山来由記/霧城記

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<div class="small right">僧 隆峯</div>
美濃国岩村霧ヶ城は国の極東に懸かりその南辺にあって地の境は信州三河に接する。水晶山を襟に、裏の山を裾とせり。登れば則ち行程二里余り、営累山嶺に連なりて仰ぐにこれ崔嵬たり。城楼天に架かぬるが如く門陴雲を穿つに似たり。
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美濃州岩村霧ヶ城は州の極東に在りその南辺の地境は信州・三河に接している。水晶山を襟に、裏の山を裾とせり。登れば則ち行程二里余り、営累山嶺に連なりて仰ぐにこれ崔嵬たり。城楼天に架かぬるが如く門陴雲を穿つに似たり。
  
 
 

2010年5月9日 (日) 07:23時点における版

僧 隆峯

美濃州岩村霧ヶ城は州の極東に在りその南辺の地境は信州・三河に接している。水晶山を襟に、裏の山を裾とせり。登れば則ち行程二里余り、営累山嶺に連なりて仰ぐにこれ崔嵬たり。城楼天に架かぬるが如く門陴雲を穿つに似たり。

  ○霧城記      僧 隆峯

美濃州嵒村霧城也在州之東極縣之南邊地
疆接信参襟晶嶺而裳裏山登則行程二里餘 ※1
營壘連山巓仰之崔嵬城樓如架天門陴似穿
雲澗溪㴱𨗉成自然隍壍長坂嵯峨猶高觀梯
登凡壯士有鋭氣而難直攀焉旋嵐回暉拂埃
塵山色蕭條鳥啼猿叫其至避閙愛間得之心
而樂者亦冝棲仙客也峰秀藂樹潤黷土肥井
泉盈溢縦惟百日炎早水不甞涸者想夫斯山
之靈也歟頂傍有八幡神祠高閣簷埀天喬木
杪凌空相隣北構望樓屹然特立根上縱目乎
此則千山疊疊焉其顯者恵那美州猿投参州駒嶽
信州乘鞍崋飛州白山加州伊吹峯近州各宛尓目前朝
雲夕霧氣象萬千此則霧城之大觀也昔人之
營備矣武並森飯狹間林近城邑而蔚茂遠圍
繞者香生嶽阿岐嶺也相山丘而興畠臨𧮾谷
而辟田矣或可觀者秋時紅葉諸峯林巒懸繡
曝錦或可傷者冬日勁寒飛雪撲靣厲風裂層
春花遅夏天涼者是斯地之氣候耳迨至于麓
郭之内外士館商肆各抱地勢而高低接列人
類不齋而自稟其異氣以生育者也於乎一方
孤城孤不孤聲稱布于遐邇霧城名實寔夫有
在焉於是乎記

※1 今以三百六十歩為一里也

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古文書の翻訳: このページは遠山来由記を現代語に翻訳したものです。より正確な表現を知るためには原文を参照してください。文中の(小さな薄い文字)は訳註を表しています。

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