巖邑府誌/中野

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中野

目次

中野

中野は別名今駅とも言われる。戸数百十で市街地を成している。大井駅の西にあり東山道の中にあって駅とは川で隔てられている。多分大井の中の原野という意であろう。または中大井と言うことも可能である。安岐川はここから北上して岐蘇川に入る。

この田園を比べてみると東野に劣っている。

○中野一名今驛在大井驛西東山道路中 ※1
隔河水与驛界盖大井正中之原野也若謂
中大井亦可河水自此北入岐蘇河 其田園較劣於東

※1 民戸一百一十相比並為街市形

法正山長栄寺

村の中に法正山長栄寺がある。曹洞宗の黒衣の僧が居る。瑞現寺に属している。

○法正山長栄寺在邑中曹洞宗黒衣僧属于瑞現寺

中尾山

中尾山は永田との境にあり愛宕の山神が祭られている。威徳院の巫僧がこの祠を祀っている。

○中尾山在永田界祭愛宕山神巫僧威徳院 
奉其祠

西峯

西峯は久須美、竹折と接する西の境にある。里人によれば東野で亡くなった西行がこの嶺に葬られたと。嶺にある古塚がそれである。ここから西峯となったということである。多分に無花山の歌をよりどころとして話をつなぎ合わせただけだろう。

思うに古塚は廃寺の跡であろう。この山は大井の西の堺であって、それで西峯と名付けただけである。

別の話では、淫乱であったために蛇と化してしまった采という女が、今でも真っ暗な風雨の時に妖蛇となってこの塚に現れるという。その場所の古塚を観てみても往々にして妖蛇が隠れている事を見計らうすべもなく、また淫乱な女がことごとく蛇となるような事もないだろう。

○西岑在中野西疆疆接于久須美竹折俚人言西行
隠于東野卒葬於此岑中之古塚是也故有
西岑之名也盖據無花山之歌詠而附會之
言也想古塚盖廃寺之趾也其山乃為大井
乃西界故名西岑耳或言邑民女名釆者因
婬奔之事化而為蛇即其塚也至今方風雨
晦冥之時則妖蛇現于塚間也歴觀所在之
古塚往々有妖蛇隠見莫測者豈可盡為婬
女化蛇也否


古文書の翻訳: このページは巖邑府誌を現代語に翻訳したものです。より正確な表現を知るためには原文を参照してください。文中の(小さな薄い文字)は訳註を表しています。

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